Before (改善前)

工作機械や装置・機器ユニットのカバーにおいてよくある図面指示ですが、図面上は曲げた面と切断された面が同一面になっています。しかし、図面上ではきれいな一直線になっていますが、実際の加工を行うと角ノッチという逃がしの切り欠きが発生します。この角ノッチというのは、切断面が曲げ面に引っ張られないようにするための縁切りのような溝のことです。この溝がないと、切断面が引っ張られてしまい、場合によっては割れが生じてしまいます。

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After (改善後)

実際の加工を行ってもきれいな外観を保つためには、図面上で切断面を板厚の寸法分マイナスさせておきます。そうすることによって、角ノッチと呼ばれる切り欠きもなくなり、美しく仕上げることができます。この特性を理解してカバーの図面を作成すると、外観上きれいなカバーを作ることができます。工作機械や機器ユニット・装置ユニットの外装面で使用されるカバーは、高い意匠性・装飾性が要求されるので、外観品質を向上させるために、角ノッチの発生には注意が必要です。

POINT(要約)

角ノッチでは最低0.5mmの幅を必要とします。たった0.5mmではありますが、塗装されると非常に目立ってしまいます。設計段階にてこの逃がしを考慮しておくだけで、組み付けた際のカバーの仕上がりが変わり、外観品質を大きく向上できます。