板金ユニット装置に使用する塗装
板金ユニット装置や組み立てユニット品は塗装を行った後に組み立てを行います。現在では塗装用の機器や装置が開発されていますが、昔は全て手作業による塗装が行われていました。
「板金ユニット装置 設計・組立.COM」を運営する株式会社 関東精工では、水洗式塗装ブース、乾式塗装ブースを合計10基保有しており、自社内の塗装設備を使ってフレキシブルな納期対応・生産を行っています。
塗装方法の種類
< 手作業による塗装方法 >
塗装方法 | 塗装方式 | 適する塗料 | 特徴 | 適する被塗物 | 作業 能率 |
刷毛塗り | 刷毛で塗り広げる | ほとんどすべての塗料 | 形状・場所を問わずに適用できる | ほとんどすべてのもの | △ |
ローラーブラシ塗り | ローラーブラシで塗り広げる | 水系塗料・合成樹脂調合ペイント | 塗りやすく刷毛塗りの2~3倍の高効率 | 天井・壁面など平らなもの | □ |
タンポ塗り | タンポで塗面を擦りならす | セラックス・クリヤラッカー | 塗面が平滑になる | 家具類 | △ |
へら塗り | へらでしごいて塗る | 各種パテ類 | 一度に厚く塗れる | 凹凸面 | △ |
< 塗装機器による塗装方法 >
塗装方法 | 塗装方式 | 適する塗料 | 特徴 | 適する被塗物 | 作業 能率 |
スプレー塗り | 圧縮空気で塗料を霧化させて塗る | ラッカー類・各種合成樹脂塗料 | 能率が良く、均一に塗れるが、ロスが大きい | 平面・曲面一般 | 〇 |
ホットスプレー塗り | 塗料をヒーターで加熱して吹き付ける | ラッカー類・各種合成樹脂塗料 | シンナーを節約し、厚く塗れる | 平面・曲面一般 | 〇 |
エアレススプレー塗り | 塗料に高圧を加え、特殊なノズルから噴射させて塗る | ラッカー類・各種合成樹脂塗料 | 能率が良く、オーバースプレーが少なく、隙間にも塗料が届く | 平面・曲面一般 | ◎ |
ホットエアレススプレー塗り | 塗料の加熱蒸気とポンプによって塗料を加圧噴射させて塗る | ラッカー類・各種合成樹脂塗料 | シンナーを節約し、厚く塗れる | 平面・曲面一般 | 〇 |
カーテンフロー塗り | 塗料をカーテン状に流下させて被塗物を移動させて塗る | ラッカー類・各種合成樹脂塗料 | 高効率で一定の膜厚が得られ、ロスが少ない | ベニヤ板、カラートタン、紙、布など平らなもの | ◎ |
流し塗り | 被塗物に塗料を流しかけて塗る | 焼付エナメル
合成樹脂エナメル |
裏表とも一度に塗れ、塗料ロスも少ない | 大形でも小形でも可能 | 〇 |
ロールコート | 金属・ゴムローラーの間を通過させて塗る | 合成樹脂エナメル
ラッカー、下地類 |
薄く塗れ、両面塗装も可能 | ベニヤ板、カラートタンなど平らなもの | 〇 |
浸漬塗り | 塗料中に被塗物を漬けて塗る | 合成エナメル
ラッカー・ステイン |
作業が簡単 | 複雑な形状のもの、小型のもの | 〇 |
転がし塗り | 被塗物を入れた容器の中に塗料を少量入れて、容器を回転させて塗る | 合成樹脂エナメル、ワニス・ステイン | 作業が簡単で、小物の大量塗装に適している | ボタンやおもちゃなどの複雑な形状のもの | □ |
しごき塗り | 被塗物を穴の空いたしごき形を通過させて塗る | ラッカーエナメル
合成樹脂エナメル |
何回も繰り返すことで均等に塗れる | 鉛筆、釣竿、針金など棒状のもの | △ |
遠心力塗り | 金網かごに被塗物を入れ、塗料中につけて遠心力で振り切って塗る | 焼付エナメル
エナメル |
小物の大量塗装に適している | ボタンやバネなど極小形のもの | □ |
< 塗装装置による塗装方法 >
塗装方法 | 塗装方式 | 適する塗料 | 特徴 | 適する被塗物 | 作業 能率 |
静電塗装 | 負に帯電させた噴霧塗料を正極である被塗物に吸引付着させえて塗る | 合成樹脂エナメル全般 | 塗料のロスが少なく、突出部やエッジなどもよく塗れる | 金属製品全般 木製品 |
□ |
電着塗装 | 水性塗料タンク中に被塗物をつけて、直流電気を通電して塗る | 電着塗料 | 複雑形状でも塗り残しが少なく、火災の危険性もない | 自動車ボディ、電器製品、金属製品全般 | ◎ |
静電紛体塗装 | 負に帯電させた紛体塗料を正極である被塗物に吸引付着させて塗る | 紛体塗料 | シンナーが不要で、塗料ロスが少なく、厚く塗れる | 金属製品 | 〇 |
注)作業能率は△ → □ → 〇 → ◎ の順で作業性が高くなる