Before (改善前)

大型の板金加工品を製作するときに、定尺の板材では長さが足りないために平板を溶接して製作を行います。特に大型カバーは上図のように平板同士の端面を合せ、表面と裏面から溶接をして接合させます。溶接での平板の接合後には歪み取りを行い、さらに、上塗り塗装にて仕上げをする場合は、パテ処理なども発生するので製作コストが大きく嵩んでしまいます。

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After (改善後)

平板同士の溶接ではなく、曲げ加工品の栓溶接に変更することで、加工工数を大幅に削減することができます。まず、溶接して繋ぐ板材に曲げ加工と栓溶接のための穴あけ加工を施します。そして、曲げた箇所同士を合せ、栓溶接することによってそれぞれの板材を溶接接合することができます。外観上は互いの部材を曲げた曲げR部分が線となって見えますが、設計段階でその線を考慮しておくとデザインを損なうことなく、板材同士を溶接することが可能となります。

POINT(要約)

クーラントタンクのような液体を取り扱うタンクの場合は液漏れが厳禁とされるので、平板を全周溶接にて組み立てを行います。平面にする必要のない大型カバーであれば、栓溶接にて組み立てを行うことで、製作コストを抑えることが可能になります。