Before (改善前)

板金製の装置や機器、ユニット品などの組み立て品で、電気配線を行う際には配線用の固定金具が取り付けられます。この、配線用固定金具を取り付けるためには、ナットを溶接にて取り付けることが多くあります。しかし、溶接を行うと、熱による歪みに注意しなければなりません。溶接にてナットを取り付けるとスパッタがネジ穴に付着してしまい、ボルトと付着したスパッタが干渉して、ボルトが入らないといったトラブルも誘発させてしまいます。

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After (改善後)

電気配線用の固定金具のように、固定が目的で、大きな荷重がかからない部品であればナット溶接ではなく、タップ加工だけで十分です。例えば、t2.3の板材であれば、M4のタップを立てることで、”配線の固定”という機能を出すことができます。ナット溶接によるスパッタが引き起こす品質不良を防止することができる上に、溶接作業が不要となるため、溶接ナットの購入費用や溶接工数、また、溶接後の仕上げ工数なども省略することができます。

POINT(要約)

タップ穴を使用するよりも、溶接ナットを使用した方が大きな荷重、トルクに耐えることができます。しかし、溶接ナットを用いると、溶接の歪みが出てしまいます。また、ナットのサイズがバラバラだとナットの管理面も煩雑になってしまいます。なお、M3~M8のタップ穴は複合加工機で加工可能なため、コストも抑えて正確なタップ穴加工を行えます。